うつ病って病気は本当に恐ろしいですよね?

内科や外科であれば、適切な手術や処置を施せば完治します。でも、うつ病など心の病はそれほど簡単なものではありません。担当医がいつも私に話してくれる言葉です。

私も、うつ病と共存してそろそろ5年が経とうとしていますよ。

うつ病になった原因は営業担当からの執拗なクレーム

店舗営業のバックオフィスコールセンターに勤務していました。36歳女。

コールセンターと言っても、直接お客様からの電話を受ける部署ではありません。

各店舗にいる営業部の人達から、製品についての質問やクレームの進捗状況の確認と説明、製品の内容について幅広い内容の電話を受けて回答し、必要ならば専門部署に対応を依頼する部署にいました。

配属前の研修では、電話対応のビジネスマナーと取り扱っている製品についての説明はありましたが、実務ではほとんど役に立ちません。

実際に営業の人達からかかってくる電話の内容はほぼクレーマーと化したお客様を目の前にしての進捗確認でした。

営業の人達は目の前に怒り狂ったお客様がいるせいか、電話口の声は苛立ち10秒でも待たせたら怒鳴られました。

質問の回答よりも怒鳴られている時間の方が長く、必然的にひとつの電話への対応が長くなりました。

全社員に各一台の電話が用意されていましたが、全員が電話に出ても当たり前のようにまだコール音は鳴り止みません。

クレーム担当でもないのに不条理な対応を強いられた

店舗営業の人達からかかってくる電話の内容は、本来ならば店舗では確認できないお客様の状況であったり、製品の問題解決への案内であるはずでした。

直接お客様と対応する部署は別にあり、私のいたところでは営業の人達に対応するとされていたのですが、製品の不具合や店舗スタッフとの衝突で苛立ったお客様が電話を代わられ、直接お話を受けることもありました。

クレーム対応を専門としているわけではなく、あくまでも社内対応専門部署だったこともあり、毎日繰り返される罵倒や叱責に耐え切れなくなりました。

先輩社員に質問をしようにも、全員が電話に対応中で誰一人空いている社員がいない状態。

教育担当として必ず隣に先輩社員がついてくれますが、電話が鳴りやまない為に教育担当も教育している暇がありません。分からない事は自分で調べるほかありませんでしたね。

その分、対応に時間がかかり営業から余計に怒鳴られる悪循環。

先輩社員に話しを聞けるのは始業時間前か終業時間後だけです。

そうは言うものの、業務時間外に先輩に教えてもらうこともできず、分からないままの実務を続ける日々が続きました。

そのうちに営業の人達に名前を覚えられ、「できない人間」とレッテルを貼られ電話に出て名乗ると舌打ちされ、「お前じゃ対応できないんだから話にならない」と言って、電話をガチャ切りされてしまいました。

気が付くと体が震えているのが分かりました。

怒りだったのか、憎しみだったのか、仕事ができない悔しさだったのか、よく分かりません。けれど、あの舌打ちと暴言は忘れることができない記憶になりました。

鬱病で転職したキッカケは名指しで怒鳴られ続けたから

私は心が壊れてしまったのか、ある日を境に出勤できなくなっていました。

出勤できなくなってから、1ヵ月ほどして病院に行こうと決意。

もちろん産業医はいましたが、どうせ会社と繋がっている医者にかかっても、会社に何と報告されるのか正しい診断をされないだろうって不安があり、受診することに強い嫌悪感がありました。

自分で通える範囲で口コミの良い病院を探し、いくつか回ってやっと安心できる医者にかかることができました。

ここまでに3ヵ月かかりました。

医者からは「ゆっくり回復させていこう」と言われましたが、お金の不安から次の働き先を見つけなければって強迫観念が強かったですね。

そうは言うものの、面接で大失敗が続きました。

人を前にして緊張が極限に達し毎回大汗をかくような状態です。不信に思われても仕方ありません。

トラウマからか、受け答えもスムーズにはできず、少しでも強い言い方をされると萎縮してしまい、喉が締まって声がでにくくなり、言いよどんでいるような喋り方にしかなりません。

医者にも正社員ですぐに復帰が難しいと再三言われ、休養する期間を取るようにと言われ続けましたが、貯金も少ないので働かなくてはなりません。

医者に相談した結果、日雇いのアルバイトで働く環境に慣れていくことにしました。

肉体労働のアルバイトならば喋る必要も無く、毎回違う現場に派遣されるので人間関係から離れられる為、少しはマシだろうと考えました。

それでも、大きな物音や人の声、特に注意する声に過敏になっていて、1日働いて3日休むような生活が繰り返されました。

最終的に正社員として安定した転職に成功したのは、うつ病と診断されてから3年後でした。

彼女は今も電話の着信音に怯えるトラウマと戦っている

うつ病から復帰した直後の職場では、発作のような症状が断続的に現れる為、長く勤めることはできませんでした。

それから更に5年が経過した現在、やっと症状も落ち着きを見せてくれました。数度の転職の結果、私はフリーランスとして働いています。

転職を繰り返して分かったことは、電話を取るような環境が既に無理だということ。

どんな職種だろうと電話対応のない会社はありません。見知らぬ相手からの電話を取らなければならない状況は、私にとって死活問題でした。

だからこそ、フリーランスとして働く決意が固まりました。

私がかかったな精神疾患は、中程度の症状のあるうつ病です。中程度の症状でも、生きていることも働くことも全てが苦しく、日に何度も死を意識していました。

症状が現れる度、周囲の人達には迷惑をかけてしまいました。

仕事の手を止めさせてしまうこと、自分の持ち分の仕事の進捗が遅れてしまうことは「できない人間」という呪いにかかっているようで、毎日が辛いものでした。

理解を示してくれる人達もいましたが、迷惑をかけている状況が心苦しく結局は何度か転職を繰り返しました。

外傷のように完治がない精神の病気は、自己判断を大きく鈍らせます。

うつ病では人は死なないと聞きますが、あのまま勤務し続けていれば、遠くない未来で私は自分の命を絶っていただろうな。転職したことは間違いではない選択だったと、今でも思っています。

唯一良かったことは、理解してくれる人達が近くにいたことですね。理解されず、拒否し続けられていたら、例え転職に成功しても何度もうつ病が再発していたことでしょう。

5年経った今でも怒鳴られ続けたトラウマに怯える彼女

最後に要点を纏めておきますので、参考にしてください。

[box05 title="要点まとめ"]
  • バックオフィスコールセンターに勤務
  • 営業からクレームの進捗確認の電話が絶えず鳴っていた
  • クレーム対応担当でもないのに営業から怒鳴られ続けた
  • うつ病発症のキッカケは名指しで怒鳴られたこと
  • ある日出社できなくなり退職
  • 主治医の意見を聞きつつ生きるため転職活動
  • 何度か転職したが電話の音がトラウマ
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月並みな言葉ですが、逃げるのは決して恥ずかしいことではありませんよ。

軽いうつ病であれば、いつでもやり直せますが、私のようになってしまうと長引いて絶望しますから。

心の病は、誰かに相談すれば少しは気が晴れますよ。