サラリーマンやっていると、望まない仕事もこなさなければならず辛いですよね?

私自身、総務職として会社の裏工作を一手に引き受ける汚れ役を、数年間やってきましてね。例えば、うつ病で総務預かりになった社員を追い出したりするわけです。

ええ、休職中は何があっても解雇は出来ませんが、精神的に追いつめられている社員に訳の分からない集計作業をやらせて更に追い込んだりするんです。

酷い扱いだよ本当に、って思ったのは自分自身がうつ病になって逆に追い込まれる立場に立った時でしたけどね。

20代最後の年に奇跡が起こり大手企業に転職できた

私は大学卒業をしてから、最初に入社した製造業を2年6か月で退職。その後は、事あるごとに転職をする、いわゆるジョブホッパー。

職さえ変えれば、上手くいく、嫌なことがリセットされると浅はかな考えを持っていた私は、数回の転職を繰り返したのち、関西にある大手鉄鋼会社に総務経理職として転職できてしまいます。

派遣社員として登録をしていたパソナから、「君の経歴にピッタリな企業があるが、ダメもとで正社員の求人を受けてみないか?」とたまたま誘われたことから、奇跡は始まります。

その企業名を聞いて私は驚いてしまいます。

私が今までに勤めてきたどの企業よりも有名で、TVやCMでおなじみの大企業だったからです。

血統、つまり出身大学を大切にする古い体質の企業で、有名大学出身者ででなければ入社することが難しい企業でしたが、様々な職場を渡り歩きある特殊な技能を持っていたのが幸いし潜り込むことに成功。

30歳の誕生日を迎えようとする日に、試用期間が終わり正式に採用されました。

給料はもちろんのこと、ボーナスも今まで見たこともない額が振り込まれ、福利厚生面でも至れり尽くせり。

大企業だから、さぞ高等な仕事をしているのかと思いきや、現場は、中小企業では考えれられないほどヌルヌル。

売り上げが上がらなくても、グループ全体で補えるから努力しないし、経費を湯水の如く使ってもそれまたグループ全体で何とかなるから気にしない。

そんなのんびりした職場風景を見て、ちょうどこの頃、結婚した私は「こんな生ぬるい職場で定年まで勤めることができれば、天国だな」なんて甘い見通しを立てています。

お上品な上司達は汚れ仕事をやりたがらず部下に丸投げ

これまで総務職なんて、就いたこともなかった私です。

「総務職?何やっているのか分からない給料泥棒的な人達でしょ?」ぐらいの知識しかなかった私ですが、いざやってみるとこれが忙しい。

私が入った工場は、人数が限られていて総務部が、総務・人事・経理・財務・購買・システム管理を兼任する職場。

早稲田大学卒で頭のキレる上司は、机上の空論ばかりで作業しないばかりか、パソコンもできない40代。しかも出世に響くのが怖くて、何一つ決断できないお坊ちゃま。だから、あだ名は「ぼんくら」課長。

何もできない早稲田出身の課長と、社内最強と謳われている30代お局と、私の3人。

たった2人で、営業と製造と開発以外の全てを担うわけだから、激務どころじゃない!!まぁ、今まで中途半端な仕事ばかりしてきた私には刺激になって、イイ感じでしたけどね。

でも、総務部員は大概4名だったんですよ。

そう、病み上がりや精神疾患を抱えた社員を現場に置いておくことができず、いわゆる「総務預かり」って形で預かるんですが、そのお世話係に任命されてしまったわけなんです。

彼らは、傷病手当金の支給期間が終わってしまったのか、取り敢えずは出社するわけなんですが、机で寝てしまったり、応接室のソファーで堂々と寝てしまう。

「いやいや、給料もらってるんだから、お前ら仕事しろよ!」と言いたいところだが、うつ病社員は、触れてはならない存在。

上司の課長を含めて、現場の管理職達も腫れ物に触るような扱いで、まるで存在していないかの扱いじゃねーか。誰も相手にしないから、必然的に一番下っ端の私が面倒を見るハメになる。

しかも、本社のお偉いさんからある特命を受けることになるのも私だった。

「早く追い出せ!!」

精神疾患に陥って働けなくなった社員を退職に追い込む

売上が上がらなくても、経費を湯水の如く使っても屁でもない大企業なのに、こと故障した社員に対しては、残酷なことをするんですよね。

精神疾患の社員だけじゃないです。

同期入社したF君も、重量物を持って腰痛ヘルニアになってしまったんですが、「自己責任」と退職に追い込んでいきました。

そのやり方が、まだ酷い。

とりあえず、今までやったことがない職務に就かせて精神的に追い込んでいくんですよ。そう、私達がやっていたのは、総務預かりにして、月末棚卸集計とか伝票の封入作業をさせるんです。

現場一本できた彼ら工員を、EXCELを使わせて何千件と入力させるわけです。ブラインドタッチの「ブ」も分からない工員をですよ?

私達事務職は、何百件、何千件もの入力も毎日のようにやっています。ものの1日もあれば終わります。

でも彼らは違う。1日たっても数百件打ち終われるかどうかってレベルです。

そんな彼らに追い打ちをかけるのが私の仕事で、「何で8時間も使って100件しか打ててないの?」「給料泥棒もエエところちゃう?」って、滾々と密室で詰めるんです。

今考えたら本当にひどい仕打ちですよ。パワハラ、モラハラの域を完全に超えています。

それでも、ひとり追い出すたびに、軽く評価をもらえるわけなんですね。「ハヤテ君は仕事が早いから、使えるねぇ」なんて役員からお褒めの言葉をいただける。

もちろん、オフレコでです。

たった1人の個人よりも大多数の社員を取るし、どんな姑息な手段を使ってでも社を守ろうとする。それが企業というものです。

悲しいけれど、これが現実なのよね。

自分自身うつ病になって思えることは心のケアが必要

この数年後、私自身うつ病にかかって追い込まれる側にまわるわけなんですが、心のケアってメチャメチャ必要じゃないですか?

もちろん当の本人以外には、サボっている社員、心が弱い中高年程度の温度でしょうが、せめて総務人事課、管理職、産業医辺りは、精神疾患について知っておくべき。

じゃあ心のケアって何なのよ?って話ですが、話を聞いてあげるだとか、プライバシーはしっかり守ってあげるだとか、休職についての制度をキッチリ説明してあげるだとか、やることは何でもある!んです。

それを、当事業所から精神疾患の社員が出た前例はないから絶対に認めないとか、臭い物に蓋をしてしまおうなんて、対応を取るべきじゃない。

近年ストレスチェック制度がいよいよ活発になってきましたが、こんな建前的なことやってて解決になるんですか?って言ってやりたい。

法的に残業時間を抑制して、精神疾患が減るんですか?( ゚Д゚)ハァ?って感じじゃないですか!

私の望みは、ちゃんと話を聞いてくれて、うつ病を理解してくれればイイんですよ。まぁ聞く側からすれば、重い話過ぎて気分悪くなってしまいますがね。

病んだ社員を追い出す工作は総務職のお仕事まとめ

[box05 title="要点まとめ"]
  • 職を転々としたのち大企業に転職することができ大満足
  • 有名大学出身のプロパー社員は汚れ仕事に加担しない
  • 精神疾患で働けなくなった社員を退職に追い込む役割
  • 精神疾患に陥った社員は心のケアが必要だが理解されない
  • ストレスチェックや残業抑制より心の叫びを聞くことが大切
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私のうつ病日記、1回目は後悔の念を語ってみました。今あなた達を追い出さんとしている側の社員も、逆の立場に立ったらあなた達の気持ちが分かります。

まぁ、私みたいに追い出す側と、追い出される側を経験したサラリーマンは少ないですね。

うつ病のリーマンが仕事に復帰するのを支援しているハヤテでした。