
うつ病なんて病はない!製薬会社が儲けるために作り出した幻想だ。なんて言い切っている人がいるので、マジで驚いてしまいます。
確かに、うつ病になったことのない人間から見ると不思議な病気ですよね?
見た目は普通だし、辛い辛いってサボっているようにしか見えないから質が悪い。私自身うつ病の社員を預かる身でしたが、「こいつら仕事もせず給料もらえてイイ身分だよな」なんて思っていましたとも。
よもや、自分自身うつ病になるとは思ってもみませんでしたが。
目次
自覚症状がないままうつ病と診断された30代OLの嘆き
初めまして。派遣社員で事務の仕事をしていた30歳女です。
名前を森といいます。
私は大学を卒業後、いわゆる中小企業に就職して4年間働いていました。しかしその会社が倒産し、私は収入を得なければならず、いくつかの派遣会社に登録して、すぐ紹介された仕事を引き受けました。
そこは大手のメーカーのグループ企業で、総務関連の仕事でした。
これなら自分の経験を活かせそうで、しかもお給料も悪くありません。
しかし勤め始めて半年ほど経った頃から、私はひどく倦怠感を覚えるようになります。
病院へ行っても、これという症状がありません。仕事がストレスになっているのかと考え、休日には体を動かし、友人と遊びに行ったりもしました。
おかげで月曜日や火曜日は調子がよく、仕事にも前向きになれていたのですが、週半ばになると、また倦怠感や疲労感が出て来るようになりました。
さすがに、これは変だよねと思って心療内科を受診したところ、うつ病かもしれませんねと診断されてしまいました。
うつ病なんて自分には無縁だと思っていただけに、これにはショックでした。
些細な事でも気にする私の性格がうつ病になった原因
実は今まで、生理の前に似た症状が出たことがありました。
しかしそれはあくまでも生理の前に限ったことで、そうしばしば起こるものではありません。
心療内科の先生に勧められてメンタルクリニックを受診し、その原因を確かめることにしました。そこでは、何か我慢しているとか、押さえ込んでいることはないかと訊かれました。
今まで特にそう感じたことはなかったのですが、よく考えてみると、その部署の部長がかなり厳しい人で、その人がいるだけで何か空気が張り詰めた気になることがありました。
もっとも人によって受け止め方は様々す。同じ部署でも特に気にしていない人もいたので、性格や考え方も影響したのかもしれません。
私は割と色々なことを気にするタイプで、本当は叱られていないのに、ちょっと注意されただけで、ひどく気にする性格なんです。
私の性格も、うつ病の発症につながった可能性はありそうですよね?
そういえば、新人の頃電話の応対を間違え、お得意先へ違う商品を送ってしまったことがあって、その点でも部長と直属上司の係長にひどく叱られました。
もちろん私の責任ではあるのですが、こんなことならもう来てもらわなくていいと言われ、1週間ほどろくに口をきいてもらえないこともありました。
恐らくは、こういうことで自分を責めるようになり、段々うつ病の症状が出るようになったのだと考えています。そのクリニックでは薬を処方してもらい、できれば職場環境を変えた方がいいとも言われました。
派遣社員でも休職制度を利用できると知るが復職は困難
私は派遣社員でしたが、休職制度を利用する権利はありましたので、それを利用することにしました。
しかしその後、そこの会社に復帰することは難しいと考え、休職期間中に転職活動をすることにしました。
クリニックの先生に相談してみたら、今すぐは難しいかもしれないと言われたのですが、休職期間は1か月しかかく、その間に今後のめどを立てたく焦っていました。
実はそのクリニックの帰りに、ちょっと立ち寄った書店で偶然声を掛けられました。
その人は前の職場で一緒だった人で、今は別の会社で何とかうまくやっているとのことです。そして、事務経験のある人を探しているから、よかったら来ないかと勧めてくれました。
しかし私はうつ病で休職中です。
思い切ってそのことを話したら、ならば休職期間が終わってからでいいから、一度面接を受けるように言ってくれました。
クリニックで薬を貰っていたこともあり、倦怠感や疲労感は徐々に治まっていましたが、まだきちんと仕事をできるかどうかで不安が残ります。
そのためもう一度クリニックを訪れ、転職のオファーを貰っていることを話しました。先生はしばらく考えていましたが、ならば面接だけでも受けてみなさいと言ってくれました。
不思議なことですが、それ以後は特に目立った症状が出なくなり、まるでうつ病が完治したかのようになっていきました。
そして面接に赴き、2日後に内定の通知を貰いました。もう一度クリニックに行ってこのことを話したところ、ならば行ってみたらいいですよと言われました。
うつ病になるとこの先どうやって生き抜くべきか絶望
私に来るように勧めてくれたその人は、4年間一緒に仕事をしていたこともあり、私の性格や物の考え方を知っていました。
そのため、会社のことについても色々アドバイスして貰いました。
派遣先と派遣元には退職の連絡をし、派遣元の登録も取り消してもらうことにしました。
結局私の場合、本格的なうつ病よりは、うつ状態だったので、環境が変わることでかなり好転したと先生からも言われました。
派遣先を休職しなければならなくなった時は、この先どうやって生きていけば良いのか不安でたまりませんでした。
でも、思わぬ形で転職できて本当に良かったなぁ。
しかも一緒に仕事をしていて、互いをよく知っていた人から誘われたのもラッキーでしたね。
今は流通関係の会社で、デスクワークを主にしていますが、時々は検品の応援に入ることもあります。それまでずっとデスクワークが主流だったのですが、それ以外に体を動かすことで気持ちも軽くなり、ストレスもたまりにくくなりました。
前の職場が倒産した時、その人と一緒に今の職場に入っていればうつ病にかかることもなかったんじゃないかななんて思います。
しかし派遣社員になったことで、派遣の仕事がどのようなものかが分かり、実際に軽症とはいえうつ状態になったことで、うつ病がどのような病気であるかも分かり、それも貴重な経験だったのかもしれません。
既に今の職場では、3年以上仕事をしています。
その後はうつ病が再発することもなく、薬も飲まなくてよくなり、とても充実した日々を送れるようになっています。
この先どうやって生きていけばいいのか絶望したOL
最後に要点を纏めておきますので、参考にしてください。
[box05 title=”要点まとめ”]- 会社が倒産して転職して公私ともにリア充していた
- 自覚症状がないままうつ病と診断されショックだった
- 些細な事でも気にしてしまう自分の性格がアダとなった
- 派遣会社の休職制度を利用するも復職は叶わなかった
- たまたま会った元職場の同僚に誘われて今の職場に就けた
うつ病は何かのキッカケで発症するものですが、彼女のように神経質な性格がアダとなってしまう場合もあります。
私自身、主治医から「あなたは性格が悪い」と言われてしたことがあります。助けてもらうハズの医者からそう言われた時は、流石にショックでしたね。
医者も同僚と同じく、合う合わないがあります。
同僚や上司は選べませんが、医者は選べます。勇気を出して医者を変えてみるのもイイかもしれませんよ!