
工場勤務って聞くと、なんだか過酷だなぁなんて思ったことありませんか?
一昔前であれば、騒音と埃にまみれながら1日中作業するのは苦痛でしかありませんでしたが、現在は職場環境が改善され工場は快適空間ですよ。
しかも、大浴場やトレーニング施設も充実しているから、3Kと言われるほど最悪な環境でもありません。
どうしてそんなに工場を美化するのかって?ええ、私は長年工場で現場作業員として従事してきましたからね。
目次
憧れの自動車メーカーに就職するも騒音に悩まされる
38歳の男性の、元メーカーの生産管理担当者です。
大学での就活中にいろいろな職場見学。自動車のパーツを作っている現場は、企業秘密があるのか現地を見学させてはくれず、逆に食品関係の現場はちゃんと見せていただきました。
当時はあまり深く考えずに、就活をしていましたね。当社ではこのような製品を作っている、開発しているようなことはよく教えて頂きました。
でもやはり私は設計に興味があり、産業用ロボットやファクトリー・オートメーションの関係のところは、設計・製造ラインが地方に移転したり、都市部にある所でもメンテナンス・据え付けは、ラインが止まってから夜間に行うとのこと。
散々考え抜いた挙句、普通のサラリーマンらしく昼間に働きたい思いが強く、自動車関係の生産管理職に就きました。
研修で座学や各部署を周っている時は良かったんです。
でも、実際に生産管理として少しずつラインに加わり、実際に作業を一通り憶えていく過程で、製造部門での騒音や振動に一日ずっとさらされていることが、いかに大変かが解りました。
騒音対策でイヤーマフを装着するもほとんど効果なし
自動車関係のメーカーなので、工作機械の騒音が大きく一日中響いていました。
2019年現在ならば、トヨタの宣伝をみると、ヘッドフォンタイプの防音用イヤーマフをつけて作業をしていますね。
しかし、当時は企業の規模の関係もあるのでしょうが、耳栓で防音を行っていて、それほど効果はありませんでした。
最初は、工務部門内部で使う様々な物を作るのを手伝ったり、メンテナンスしたりで良かったわけですが、実際に生産現場に関わってからどれだけ大変な所かが分かってしまいました。
生産現場に関わっているのは、それなりに年齢がいっている人ばかりで、今考えると若い人を入れるとすぐに辞めてしまうから、年寄りばかりの現場なんだろうと推測できました。
もともと日本の自動車産業も、町工場から始まった所が多く、最初はどこも作業環境は悪かったのでしょう。
大手工場は、作業環境がどんどん改善されていくのでしょうが、中小零細企業は予算も低くそれほど改善されていないのかもしれません。
研究、開発や事務部門はどこもそんなに違いは無いかもしれませんが、製造現場は費用が掛かるので、なかなか変化しにくいのでしょうね。
一応、設計や技術の方への異動について上司と話し合いましたが、それもなかなか難しく、そうするうちにどんどん睡眠時間が短くなり、昼間もずっと疲れてい状態が続きました。
そのうちに朝起きてもぐったり疲れた状態が続き、心療内科を受診したところ、うつ病と診断され投薬治療になりました。
転職エージェントよりもハードルを下げ派遣会社に登録
その後、休職しある程度夜にしっかり眠れるようになってから、リクルートエージェントに登録して転職活動を始めました。
でも実際は、機械設計やCADをできる人が多く、市場が飽和。
なかなか私が希望する求人がありませんでしたが、生産管理でベトナムに行くならば正社員として採用する系の求人が多くありましたが、治療やさまざまな関係上、国内での就職を希望していたので、お断りしました。
最近のテレビの報道番組で放送されているベトナムの成長を見ていると、ちょっと惜しかった気もしますが、やはり治療環境が一番大事だったので、国内での就職を目指すことにしました。
リクルートエージェントの方もいろいろと求人を紹介してくれましたが、どれもハードそうな職場や海外勤務が多く、パソナキャリアなど他の転職エージェントも利用しましたが、紹介される求人はどれも似たようなものでした。
転職エージェントで紹介してもらう仕事は無理ではないかといったん諦め、少しハードルを落として派遣会社に登録して仕事を探すことにしました。
しかし、派遣の仕事は残業が少ないお仕事や、さほどハードではなさそうな仕事がたくさんあり、ワガママを言っている場合でもなかったため、一定期間派遣で仕事をしようと決めました。
派遣会社によって求人も大きく違うことが分かり、大手から小規模なところまで数社登録。沢山登録して、自分に合った職場を探して行きましたが、なかには強引に求人を紹介してくる派遣会社もあり、ペースを乱されそうになったこともありました。
うつ病の事実を派遣会社担当が理解してくれ感謝した
いろいろと派遣会社で仕事を探し、最終的にはアデコでまったく畑違いの建設関連会社の積算業務を行う仕事に転職。
紹介予定派遣で、私の場合は6か月の派遣期間を経て正社員として採用されました。
コツコツした仕事は自分には向いているようで、急な仕様変更など大変なこともありますが、なんとか業務についていけています。
派遣期間はまったく残業がありませんでしたし、正社員となってからも残業は少なく、忙しくない時には定時で帰ることがほとんど。
定時で帰った後は、自宅で映画鑑賞や音楽鑑賞などでリフレッシュすることができ、ライフ・ワークバランスの取れた仕事だと思っています。
うつ病になったときは、もう二度と仕事なんてできないと絶望していましたが、病状も軽くなりゆっくりと転職活動をして、自分に合った仕事を見つけることができたのは良かったですね。
うつ病を抱えたままの転職活動で、いきなり正社員で入社していたら、もしハードな職場になった場合、症状がまたひどくなっていたのかもしれません。
半年間派遣社員として働いて職場の雰囲気や上司の人柄、仕事内容を知る時間ができたのも良かったですね。
うつ病については、派遣会社の人だけに正社員になるタイミングで打ち明け相談しました。
担当者は驚いていましたが、会社からはよくやってもらっていると評価されており、敢えて公表せずに入社して、もしもその後しんどくなってもいつでも相談してください。
私がなんとかしてみます!と言っていただけたのは心強かったですね。
もし私と同じようなうつ病で転職活動をしている方は、紹介予定派遣で転職してみてはいかがでしょうか?
自動車メーカーに就職するも騒音で30代うつ病男子
最後に要点を纏めておきますので、参考にしてください。
[box05 title=”要点まとめ”]- 自動車メーカーに勤めるのが夢で就職活動を頑張った
- 思っていた以上に現場の騒音が酷く夜眠れなくなった
- 転職エージェント経由の仕事は自分には務まらないと考えた
- 少しハードルを下げて派遣会社を経由して転職できた
- 幸運なことに紹介予定派遣6か月を全うし正社員になれた
うつ病を抱えての転職は、恐怖そのものですよね。そういう怯えや態度は、面接官に見抜かれてしまうものです。
私自身、自信を持って面接に挑めるまで相当時間を費やしましたからね。
ひとり孤独な転職活動が辛かったら、誰かに話してみてはいかがでしょうか?黙っているよりかは、少しは気が晴れますよ。
私も色んな人に話しまくりましたから。
中高年のプライドなんてどこかに置き忘れてしまいましょう。